切手手前にいるの御仁が、日本の核物理の大家・仁科芳雄博士。
日本で初めて当時の核物理学の最新鋭実験装置サイクロトロンを完成させた。 ちょうど第二次大戦直前という事もあってその建設には並々ならぬ苦労したようである。 ところが、戦争が終わり「これでようやく実験ができる!」と思っていた矢先、米軍にサイクロトロンが「危険な研究」と目を付けられ解体されたあげく東京湾に捨てられてしまった。 (仁科博士自身、戦時中日本の原爆開発計画「ニ号計画」に関わっていたので警戒されても仕方なかった?)
ご当人相当悔しかったようで後日「サイクロトロンは壊される為だけに作られたのかもしれない」と嘆いています。 御同情申し上げます背景は原子模型。小さい黒い点が原子核、周りの楕円は電子の軌道、原子核から出てくる波(?)が放射線。あまりにチャチすぎる。お口直しにこちらをどうぞ。
高温超伝導を示す酸化物の典型的結晶構造(ペロブスカイト型構造)らしい。青い玉は酸素でその他は金属らしい。でも、黄色い玉は何なんだろう?(誰か知ってたら教えて)記念印にHeike Kamerlingh-Onnes(超伝導現象の発見者1913年ノーベル物理学賞受賞)を採用してくれたから、まあいいか。
追記:今太陽電池でもてはやされてる「ペロブスカイト型」の構造は、既にこの時代には高温超伝導(未達 ここで言う「高温」は液体窒素温度)材料として着目されています。そもそもペロブスカイトというのは鉱物の名前(灰チタン石 CaTiO3)で1940年に命名されたという歴史ある代物で、別に新発見の魔法の呪文ではありませんw
地震波形に赤富士。ちゃんとP波(左側の小さめの波)S波(右側の大きな波)もしっかり描かれている。学会物って抽象的で判りにくく一般的にはうけない事が多いけど、この切手はなかなか斬新なデザイン。 外国の方にもうけてます。
この年は国際宇宙年という事で各国から宇宙・天文に関する切手がいろいろと発行されました。
日本からも日本の宇宙開発を象徴するデザインのこんな切手が七夕の日に発行されました。 (当時JAXA勤務の宇宙切手収集家の辻野照久氏もデザインに参加されていたそうです。)
ちなみに、右手前はBS放送などもご厄介になっている静止放送衛星「ゆり」、 右切手奥は15ヶ国が参画し現在も建設が進んでいる国際宇宙ステーション、 左切手手前は環境観測衛星ADEOS(みどり)、 左切手奥はかなりちっこいですが日本版スペースシャトルHOPEだそうです。
このHOPE、2004年の打ち上げを目指していたが、残念ながら2000年に実機作製が凍結が決定されてしまいました。 切手のように実現は遠い先という事になってしまったようです。
追加情報: この切手、実は科学技術的におかしなところがあるそうです。 教えていただくまで私も全く気付きませんでした。 さてその答えとは・・・(辻野氏の「宇宙エラー切手列伝」 in 「宇宙切手の展示室」のページ)
世界90ヶ国約4300名参加の地質学の国際学会。当時でもこれ位大規模で無いと切手にはしてもらえない。
学会もまぁイベントですが、大抵の学会はお金が潤沢には無いので大方研究者が手弁当で頑張ってます。研究のプロではあってもイベント運営は別の話なので実際苦労が絶えません。(ここは実経験が無いので推測→)さらには大規模な国際会議だと複数の学会の合従軍なので、すり合わせとかさぞ難事だろうなぁと思います。ご参考までにこの会議の当事者の方々のレポートを幾つか紹介させていただきます。国際学会の裏側ってこんな感じって思ってもらえたら幸いです
真面目な総合レポート(石油技術協会誌)、 結構ぶっちゃけてる各論的レポート(地質ニュースIGC特集号)ちょっと取っつきにくいなって方には、研究発表だけじゃないこんな事もやりましたなレポートはいかが? この会議に関わった全ての皆様お疲れ様っした! おまけ:もちろんこの切手会議公式おみやげとしても売ってました
なお、この切手デザインはアンモナイトの化石(地質調査総合センター地質標本館収蔵品:地質標本データベース詳細データ付き)、背景には太平洋周辺地図(上)と褶曲断層(下)(字で書くと分かりにくいがこんな感じ(地質調査総合センターHP) 高校でコイツ習いましたよね)
このアンモナイト化石のチョイス、何か地質学的に特殊な意味があるというより一般の方にも分かりやすい「らしい」を狙ってデザインされたようです。
産総研の佐脇様情報ありがとうございました
「文化人切手;関孝和」1992.11.4発行
日本で算聖と言えばこの人、そう江戸時代の和算の大家 関孝和です。算木を使って高次方程式を解く天元術に改良を加えて筆算式の高等代数学である点竄術を発明し、数学の多くの分野における理論的研究を行い、体系化を試みるなど卓越した業績を残しています。(詳しくないのでほぼ棒読み^^;) 同時代のニュートンとライプニッツとともに世界三大数学者と尊称されているそうです。
ライプニッツに先立つ事数年、世界で初めて行列式の研究をした事にちなみ、切手の背景は4×4の行列式計算に現れる積の計算の図を描いてます。なお藤岡にある算聖の碑は風景印にもなっております(実物はこちら)
「文化人切手;鈴木梅太郎」1993.11.4発行
オリザニン(ビタミンB1;チアミン 切手の図案に合わせたのでてきとーになってしまった構造式は右上の通り)と発見者である鈴木梅太郎。オリザニンが不足すると脚気(原理はよく知らないが、膝頭の下の所を叩いて足が上がれば脚気じゃないらしい)になる。科学辞典には、鈴木梅太郎は「人工酒”理研酒”をつくって理化学研究所の財政にも寄与した」と有るが、”理研酒”は当初とてつもなく不味かったらしい
。 理化学研究所にはそれを記念してかどうかはよくわからないが、鈴木梅太郎記念館があるそうな。
六角形の図案はインシュリンの結晶(これはそんなに悪くない:右;同結晶の顕微鏡写真(オランダ産))。後ろにいるのは源氏物語の主人公光源氏のモデルとも言われてる藤原道長。
糖尿病だったのでこんな所に引っぱり出されてしまったそうだ。草葉の陰で泣いていることでしょう。
人がわらわらと集まってます。よく見ると江戸時代の腑分けの風景。・・・・・
発行の意義もあるし、デザインも発行目的に合ってるけど・・・・・でも・・・・・
この切手で手紙はなんかちょっと出したくないなぁ
地球温暖化といえば、世界レベルで考えなければならない重要な課題で、いろんな国からも切手が発行され感心の高さが伺われます。 日本でも、1997年にその対策会議(COP3)が開催され記念切手二枚一組発行されました・・・・ しかし・・・・なんじゃぁ こりゃぁー (松田優作風)
この切手を見て「地球温暖化って大変な事なんだ」とか「では、自分たちはどうすれば良いんだろう」と思い巡らす人がいると思いますか?
絵画としてはとても良い(名嘉睦稔の版画「母なる海」と「母なる大地」)んですが、これでは発行した意味が無い。 だから、本来なら科学切手としてこのページに取り上げ無いで、記憶の彼方にうち捨ててしまおうと思っていました。 しかし、悲劇は繰り返される
日本では珍しい恐竜切手。ふるさと切手では初めての科学っぽいネタ。同時に恐竜の絵葉書も販売されました。
福井(特に勝山)では多くの種類の恐竜の化石が発掘されており、ふるさと絵入りはがきやいくつも風景印の題材にもなってます。
東大木曽観測所(105cmシュミット望遠鏡などを装備)は東大天文台の5番目の観測所で1999年で25周年です。切手にあるバラ星雲は同観測所で観測されたものだそうです。ふるさと切手では二番目の科学っぽい切手。なかなか美しくて良いと思います。(もう少し空が暗い方が良いようにも思えますが、あまり暗いと消印が押されてもよく判らないので仕方ない)
企業などではおなじみの弁理士とは、特許・意匠(「デザイン」とはちょっと違う)・商標などの工業所有権の専門家。切手のデザインは特許代理業(←弁理士さんの事らしい)登録規則が施行された1899(明治32)年7月1日に特許になった「人動車」(自動車ではない)の解説図。
なかなか面白いデザインですが、どんなメカニズムで動いているのか、そしてこんなものほんとに巷に走り回っていたのか非常〜に気になってしまいました。
化学切手同好会の後藤様、正確な情報ありがとうございます。
21世紀デザインシリーズ第2集「野口英世博士の活躍」1999.9.22発行
文化人シリーズでも取り上げられた細菌学者・野口英世の再登場です。彼の研究で一番有名なのは「黄熱病」の研究ですが、ひたすらにその「病原菌」を探す実験を繰り返し、黄熱病が流行っていたアフリカに渡って研究を続けました。しかし、その「病原菌」を見つけ出す事かなわず、最期には自らも黄熱病に感染し、「どうも私には分からない」という言葉を残してこの世を去りました。
それもそのはず、黄熱病の元凶はウィルス(40〜50nm)であり、電子顕微鏡の無かった当時では確認するすべはありませんでした・・・
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